相続放棄のお話③28 Oct. 2021
皆さん、こんにちは。弁護士の土橋です。
相続は意外な形で関わることもまれではありません。今回は、同じ借金を2度にわたって相続することになった事例についてご紹介します。
Aさんは、昨年、お父さんを亡くしました。お母さんはすでに他界されており、Aさんには兄であるBさんがいて、二人兄弟です。Bさんには妻や子はいらっしゃいません。
お父さんはめぼしい資産はなく、その代わりに、知人Cさんからの借金がありました。そのため、Aさんは、家庭裁判所に相続放棄の手続きを取りました。
一方、Bさんは、お世話になったため迷惑をかけたくないとして、相続放棄をすることなく、Cさんからの借金を相続しました。Bさんは、Cさんと話をして、コツコツと返していたようです。
しばらくして、Bさんは亡くなりました。Aさんにとってみれば、お父さんとお兄さんを相次いで亡くしたことになります。
そんなとき、Aさんは、Cさんから借金を返してほしいとの連絡を受けました。Aさんは、すでにお父さんのときに、Cさんからの借金について相続放棄をしており、この連絡に驚きました。
Aさんは借金を返す必要があるのでしょうか。
また次回に一緒に考えてみたいと思います。