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コラム

不動産賃貸収入について30 Mar. 2023

こんにちは。税理士の野中です。

今回は相続発生後の不動産賃貸収入について説明します。

不動産を賃貸されている人が亡くなった場合に、死亡後の不動産収入は誰に帰属するのでしょうか。

例えば、不動産を所有し、賃貸していた父が亡くなりましたが、遺言もなく、現在共同相続人である3人の子で遺産分割協議中です。この不動産から生ずる収益は長男の名義の預金口座に入金していますが、不動産所得はその全額を長男が申告すべきでしょうか。

相続財産について遺産分割が確定していない場合、その相続財産は各共同相続人の共有に属するものとされ、その相続財産から生ずる所得は、各共同相続人にその相続分に応じて帰属するものとなります。
 したがって、遺産分割協議が整わないため、共同相続人のうちの特定の人(ここでは長男)がその収益を管理しているような場合であっても、遺産分割が確定するまでは、共同相続人がその法定相続分に応じて申告することとなります。この場合は、全額を長男の不動産所得とするのではなく、3人の子が各1/3の不動産所得として申告する必要があります。
 遺産分割協議が整った後は、当該不動産取得者の収入として申告することになります。

上記の通り、不動産所得の申告について認識不足により漏れが生じやすいので注意が必要です。

遺産分割の方法02 Feb. 2023

こんにちは。税理士の野中です。

今回は、遺産分割の方法について説明します。

遺産分割には、次の3通りの方法があります。

①現物分割

②換価分割

③代償分割

①の現物分割は、相続の際に通常想定される分割方法です。すなわち、現金預金、不動産、株式等の財産を「そのまま分割」する方法です。そのまま分割とは、換価(売却)せず、その財産の形態で分割するという意味です。

②の換価分割は、不動産などその形態では分け難い財産を売却し、売却代金を分割する方法です。

③の代償分割は、遺産分割時に1人が不動産などを現物で取得し、その取得した人が他の相続人に対して代償として金銭を支払う方法です。

現物分割については、分割の手続きは簡単ですが、不動産があると公平に分割するのが難しい場合があります。

反対に、換価分割については、不動産の売却代金を公平に分割することができますが、売却手続きに手間や費用がかかってしまいます。

代償分割については、代償として金銭を支払うことができれば公平に分割が可能となりますが、逆に言うと、不動産を取得した相続人が金銭を支払えることが必要となります。

それぞれの方法について、メリット・デメリットがありますので、どれを選択するかを慎重に検討する必要があります。

令和5年度の税制改正31 Jan. 2023

こんにちは。税理士の野中です。

今回は、令和5年度の税制改正(執筆時点では大綱であり法律施行前です)について説明します。

相続税については2点の重要な変更が予定されています。

まず、現状は相続開始前3年間に贈与した財産は相続税の対象財産に加えるルールとなっております。この財産には贈与税の基礎控除額110万円以内の贈与財産も含まれます。今回の改正で相続開始前3年間の贈与が、開始前7年間までに延長される見込みです。

したがって、相続対策として暦年贈与を利用する場合は、上記の相続開始前7年間に含まれないように早期に取り組むことが必要になってきます。

次に、相続時精算課税制度の仕組みが変更されます。この制度は、生前の贈与財産について2500万円までは贈与税を課税せず(2500万円を超過した分は一律20%の贈与税がかかる)、相続時にこの贈与財産を加算して相続税を計算する制度です。通常の贈与税よりも税率が低いため相続対策としての利用が考えられますが、相続時精算課税制度を適用すると、以後はたとえ少額の贈与財産でも申告が必要のため使い勝手が悪い状況でした。今回の改正で年間110万円までの贈与の場合は申告が不要となるため、手続が簡素化される見込みです。これまであまり使われなかった相続時精算課税制度の利用が増加することが見込まれます。

相続対策を検討されている方は、上記の制度変更を計画に反映させる必要があるでしょう。

相続対策としての不動産購入の注意点26 Jan. 2023

こんにちは。税理士の野中です。

今回は、引き続き相続対策としての不動産購入について、注意点を説明します。

前回説明したとおり、相続税の計算における不動産の評価額と時価との差額を利用した節税方法が最高裁判決で否定されました。この判決を基に相続対策においては以下を考慮すべきと考えます。

①相続開始直前での不動産購入、特に高齢者の場合はより注意が必要

②多額の借入による不動産購入、銀行から借り入れる際に相続対策を目的とする場合は注意が必要

③相続後に直ぐに不動産を売却する場合は注意が必要

④購入価額と相続税の計算における不動産評価額との乖離が大きい場合、すなわち相続税が著しく軽減される場合は注意が必要

相続対策は早目に実行していくことが重要です。不動産を利用した相続対策を検討する場合は上記①~④も考慮し、専門家に相談しながら慎重に進めることが望ましいです。相続対策にて不安な点がありましたら、当センターにご相談ください。

ある一つの相続の物語⑥26 Dec. 2022

私の記憶にある幼稚園生活での思い出の2つ目は、甘酸っぱい思い出である。

その女の子は、とくに仲がよかったというわけではない。とくにお互いの存在を意識するということはなかったように思う。

幼稚園であるから、園庭でみんなで遊ぶということが多かった。
その日も、大人数で、鬼ごっこのようなことをしていた。そのときに、その女の子も一緒であった。
幼稚園児の悪ふざけであろうか、その内の一人がなぜか、その子に私に対してキスをするように、はやし始めたのだ。それに乗っかって、何人かが同じようにはやし始めた。
その子の行動に驚いたのは私である。普通に考えれば、その子はいやがったり、起こったりして、拒否をすると思っていた。
しかし、予想に反して、その子は私にキスをしたのである。いやがらず。そして、私も受け入れた。

これが私のファーストキスである。皆さんにとってはどうでもよい話であるが。

その後、なんだか私はその子のことを意識してしまい、話をしないように避けていた。だからか、それ以外の彼女に関する記憶はない。

今現在の私の中には、可愛らしい、その子のイメージがあるが、そのイメージが事実に基づいたものかどうか、もはやわからない。その子がどこの小学校にいったのか、その後どのような人生を歩んでいるのか、まったく手がかりもない。ただ、その子の名前とその出来事は私の記憶の中にたしかにあり、今でも鮮やかな記憶として、生きている存在である。

。。。果たしてこれが相続とどう関係があるのか、これはいずれ明らかになるであろう。