相続放棄のお話⑤29 Nov. 2021
皆さん、こんにちは。弁護士の土橋です。
これまで予想しない相続を経験する事例をご紹介してきました。今回も、予想がつかないけど、案外相談が多い事例をご紹介します。
Aさんは、お母さんBさんと、お父さんCさんとの間に生まれた子です。すでに成人していて、自身は結婚して、お子さまもいらっしゃいます。
BさんとCさんはすでに離婚しており、AさんはBさんとの間には交流がありますが、Cさんとの間には交流はなく、今となってはどこで何をしているのかわかりません。
そんなとき、Cさんの子であると名乗るDさんから手紙が来ました。これによると、Cさんが先日亡くなり、その相続の手続きをしているときに、Aさんの存在を知り手紙を書いたという内容でした。
ここまではよいのですが、Dさんからの手紙には、Aさんに相続放棄をしてほしいという依頼も書かれていたのです。
Aさんとしては、すでに交流がないCさんの相続の話であり、血は繋がっているとはいえ、知らないDさんとの間でもめ事を起こしたくないという気持ちもあって、相続放棄をすることも考えました。その一方で、何か釈然としない気持ちもあります。
Aさんとしては、どのような対応をすべきでしょうか。
また次回に一緒に考えてみたいと思います。