相続税の税務調査14 Sep. 2021
こんにちは。税理士の野中です。
今回は相続税の税務調査の状況についてお伝えします。
相続税は法人税や所得税に比べて税務調査が行われる確率が高い税金です。そして実際に税務調査が行われると、かなりの確率(なんと85%)で申告漏れ・誤りが指摘されています。
令和元年の国税庁データによりますと、調査1件当たりの申告漏れ財産価額は2,866万円、1件当たりの追徴税額は641万円になっており、多額のペナルティーが発生しています。
申告漏れの財産は、現金預金・有価証券・土地で過半数の割合を占めており、これらを重点的に調査していることが分かります。
また、相続税の申告義務があるにもかかわらず無申告となっている場合の調査も行われており、無申告案件について1件当たり897万円の追徴税額が発生している状況です。
近年は海外資産の調査にも力を入れており、申告漏れ件数・申告漏れ財産価額も増加傾向にあります。
税務調査は、大口の相続財産、無申告、多額の海外資産、不正が見込まれる案件などを中心に実施されると思われますが、一生に何度も経験するものではない相続税の申告については、事前に専門家に相談するなど慎重な対応が望まれます。