ハンコって?17 Nov. 2022
こんにちは。司法書士の竹野です。
横道にそれて、ハンコについてお話したいと思います。
「はんこ文化」とは、日本固有のものなのでしょうか?
実は、紀元前のメソポタミア文明でも、はんこに似たツールが存在していたと伝えられています。
石や貝殻や骨、粘土や金属などを素材として、そこに絵や文字を刻み、粘土や布などに捺印。これによって「自己所有物」の証としていた文化があったそうです。
また、この「はんこ」自身が魔除けの意味も持ち、お守りのように捉えられていた側面もあったとも伝えられています。
また中国においても、今から4,000年も前の「夏」「殷」「周」の古代王朝時代から、はんこ文化が存在し、引き続き「秦」「漢」の時代にも盛んに活用されていたようです。
「印肉」が発明された以後は、さらに利便性が向上しました。
それでは、日本においては一体いつ頃から「はんこ」が使われ始めたのでしょうか?
歴史好きの人ならば、日本における古い印章といえば福岡の志賀島で発見された「漢委奴国王」の金印を思い浮かべるかもしれません。
また、中国の歴史書「魏志」においても、「親魏倭王」印(西暦240年)の記載があると言われています。
これらの史料から、大和王権成立以前から既に印章が存在していたことが伺えます。
しかしこの当時の印章とは、王位の地位・権威の象徴を目的とした「宝物」のような意義を持っていたようです。 参考文献 印章教科書(公益財団法人 全日本印章業協会)
次回も、ハンコについてのお話をしたいと思います。(その30に続きます)